屋久島は年間降水量8,000mm、平均標高が600mという水力資源の宝庫として早くから注目されていました。
当社はこの豊富な水力資源の開発と、島内での電力利用工業の経営を目指して昭和27年に安房川水系を開発し、現在3つの水力発電所を所有しています。
総発電設備は58,500kWに達し、全島の一般家庭へも供給されており、屋久島の生活基盤となっています。
また渇水時に島内への電力供給を維持するため、火力発電設備も有しています。
当社の発電所完成までは、屋久島の民生用電力は、各集落が所有する小容量の発電機により発電し各戸の電灯を灯していました。
昭和30年代になり、電気機器の普及や、各集落の発電設備の老朽化から電力不足となり、当社からの送電を開始いたしました。
一製造業社としての当社には屋久島全島の電力供給義務はありませんが、屋久島の地元企業として、地域発展に貢献するという会社設立理念に基づき、60数年にわたり事実上全島への民生用電力の安定供給を果たしてきました。
近年屋久島においてもピーク電力の増大、またパソコンなど情報機器の導入が進み、さらに電気の重要性が増大しています。これらに応えるべく電力供給設備の改善、電気の質の向上に努めています。
屋久島では、島内を4つのエリアに分け、上屋久町電気施設協同組合、種子屋久農業協同組合、安房電気利用組合、九州電力株式会社の3組合と1社が、当社から購入した電力をそれぞれの供給エリアの各家庭や事業所に配電するという特殊な形態となっています。よって当社は各家庭や事業所には直接販売は行っておりませんが、3組合と1社からの配電が困難な一部施設には直接供給を行っています。